都城市立図書館|まるで“まち歩き”のような、本との出会い


都城市立図書館は、かつてショッピングモールだった建物を活用して生まれた図書館。
大型施設ならではの空間を活かした「広さ」と「開放感」そして充実した設備のなかで、誰もがそれぞれに合った居場所を見つけられるはずです。
まち歩きやウィンドウショッピングのように、歩くたび、ふとした出会いが待っているのもこの図書館ならでは。
都城市外の方にも、ぜひ訪れてほしい魅力をご紹介します。
地元の“いいもの”に出会える、小さな市場のようなカフェ

図書館のメインエントランス横にあるカフェ「Mall Market(市庭)」。観葉植物や雑貨、本の販売も行っていて、カフェというより「小さな市場」のような場所です。
カフェはモーニングから営業していて、ランチタイムには洋食を中心としたフードメニューやスイーツも。

私はランチタイムに軽く食べたくて『親子パニーニ』を注文。

「親子って何?」と思いながら頼んだら、中は鶏肉と、しっかり味が染みた半熟卵のスライス、トマト、アボカド。
パニーニってやわらかいイメージだったので、一口かじった瞬間、外側のサクッとした食感にびっくり。
ひと口ごとに、素材のハーモニーが口いっぱいに広がって、想像以上のおいしさでした。
デザートまでおいしくて、“フードメニューのクオリティが高すぎる”と驚いたのだけど、知って納得。
都城のフレンチレストラン&レストランウエディング『シェ・ケン』の宮田健一さんがプロデュースしているんです。
WONDERFUL WORLD 珈琲の豆を使用したコーヒーのおいしさに、帰りには「アフォガート」も堪能しました。

「Mall Market」のテイクアウトドリンクはふた付きで提供されるため、館内に持ち込んでの読書もOK。

さらに、館内の2階にはお弁当などが食べられるスペースもあるので、一日中、図書館のなかで自分のペースで過ごすことができます。
本と出会う、まち歩きのようなひととき

ショッピングモールの名残を活かした空間づくりのヒントは、パリの「パサージュ」。両側にお店が並ぶ小路のように、ふと興味を惹かれ、足を踏み入れてしまうような空間が広がっています。
その象徴ともいえるのが、大中小の木箱を組み合わせ、組み立てが自由にできるオリジナルの木箱書架「つみ木ばこ」。

季節やテーマに合わせた本がディスプレイされ、館内を歩いているだけで本との偶然の出会いを楽しめます。

さらに空間のあちこちには、本や知識との思いがけない出会いを楽しめる、ちょっとユニークな仕掛けも。そのひとつが、「インデックス」のコーナーです。

気になる言葉を見つけて、二次元バーコードをスマホで読み込むと、言葉の説明や関連書籍が表示される仕組み。

スタンプになっているので、ノートに押せば、自分だけの“関心ノート”をつくることもできます。
インデックスコーナーのすぐそば、カフェ横のスペースは気兼ねなくパソコン作業もできるコワーキングスペースのような空間。

黒板には、都城のまちなかと全体のマップが描かれていて、地域関連の書籍につながる二次元バーコードも。

図書館の中で、まちを知る楽しさにも出会えます。
きっと見つかる、居心地の良い空間

1階はシックで落ち着いた雰囲気。黒を基調とした内装が印象的で、大人向けの本が中心に配置されています。
棚と棚の空間は広く、車椅子でもUターンできるゆとりを確保しているのだそう。

ぎっしりと本が詰まっていない、本と本の間の余白もポイント。隙間から向こう側の本が目に留まり、思いがけない一冊に出会える。そんな期待が込められています。

明るく開放的な空間の2階
2階は、子ども向けの本もあるので明るく開放的な空間です。
円形に並ぶ書架には、日本と都城市、そして世界の本が歴史の順に並びます。ぐるっと巡りながら、時の流れをたどるような気分に。

館内はほどよい会話もできる落ち着いた空間ですが、静かに集中したい方のために用意されているのが「静かな部屋」。
音が出るものは使用禁止で、静けさが保たれるように配慮されています。

健康やプライベートな内容に配慮が必要な本の周囲には、仕切り付きの席も。

雑誌コーナーでは、椅子の向きを工夫することで視線が合いにくく、落ち着いて過ごせるようになっています。


子どもと一緒に、くつろげる空間

子ども向け本のエリアでは背の低い本棚が並び、少し迷路のような構成にすることで、子どもたちが“本の冒険”を楽しめるようになっています。
靴をぬいで寝転がれるマットもあり、まるでおうちのようにくつろげるスペースです。
また、大人の本と子どもの本の間には、親子で一緒に過ごせる「リビングのような席」も。

おすすめの過ごし方は、大人が低い椅子に座り、子どもが高い椅子に座るスタイル。

大人と子どもの目線が合う高さになることで、親子で自然と本を読み合う時間が生まれます。
子どもが少し体を動かしたくなったら、「こどものにわ」へ。

紙コップなどを使って、自由な発想で遊ぶことができます。ルールは「使ったら片付ける」、それだけ。

週末には、子どもたちの笑い声で賑やかになるそうです。
おむつ替えや授乳ができるスペースもあり、ショッピングモール時代の構造を活かした設備面の充実も魅力のひとつ。

そそれぞれの過ごし方に寄り添った、多彩な空間が用意されています。
表現や学びの体験ができる多彩なスペース

学生優先の「ティーンズエリア」は、大人の視線をさりげなく遮る設計。

友人同士で過ごしたり、本を読んだり、進学の情報を調べたりと、自由な使い方ができます。
さらに、シルクスクリーンなどの道具が揃った「ファッションラボ」では、ものづくりを通して表現することも可能です。

図書館で“知る”だけでなく、“表現する”ことができるのも、都城市立図書館ならでは。
市民が参加できる展示スペース「プロジェクトスタジオ」では、まちの記憶をみんなでつなぐような取り組みも行われています。

本とまち、そして訪れた人々が、図書館を通じて、ゆるやかにつながっていく──そんな場所です。
ぜひあなたも、ふらりと訪れて、この心地よい空間を感じてみてください。
都城市立図書館|営業時間・駐車場の詳細情報

住所 | 〒885-0071 宮崎県都城市中町16街区15号(Google Map/口コミ) |
開館時間 | 9:00~21:00 【Mall Market(マルマーケット:カフェ)】 9:00~21:00 ーモーニング9:00~10:30/ランチ11:00~13:30 |
閉館日 | 定期休館なし ※ただし、施設の保守点検、図書整理等に伴い臨時休館することがあります |
駐車場 | 中核施設附帯駐車場(Google Map) 有料駐車場ですが、施設利用者は最長3時間無料となります。駐車券を必ず、利用施設の受付へ。 |
Web情報 | 公式HP |