自分の声って届くの?“推し”を決めて楽しめば宮崎がより良くなる!
選挙に行っても何も変わらない…そう私も思っていました。
政治によって選ばれる「政治家」は人々の声を受け止めて、課題や問題を解決するための代表として政策を立案したり、決定・実行のために奔走しています。
宮崎での暮らしをより良くするために。選挙を身近に感じ、理解を深めてもらうための情報についてまとめました。
宮崎に住む私たち自身が、自信をもって誇れる宮崎にしていくために🌴
- 選挙運動とは?なぜ日本の選挙では選挙カーが必要?
- 立候補者・政治家は遠い存在ではなく、暮らしをより良くしたいと考えている宮崎県民のひとり
- 一人でも多くの人が関心を持つことが宮崎の暮らしを変える
選挙は“推しの人”を探すことから
“推し”が見つかると応援も楽しくなる
選挙は全く難しくなくて、投票自体は名前を書くだけなので、ほんの数分。自分の代わりに、自分の求めている政策を推し進めてくれそうな立候補者を探すことからはじめてみましょう。
本当に自分や地域のためになる?という視点で選ぼう
自分の声を代わりに届けてくれる代表者として、地域生活の実情を知り、高い見識で物事を判断し、実行に移していける人を
「人気(知名度)」や「なんとなく好きだから」ではなく、その人の公約が、本当に自分や地域のためになるかを考えて選びましょう。
真剣に“推しの人”を選ぶほど、選挙結果にハラハラ・ドキドキするはず。
- 自分の意見とマッチング率の高い政党・無所属に絞る(投票マッチング/選挙ドットコム)
- 選挙広報を見て「自分が最も実現して欲しい公約を挙げている人」に絞る
- Webサイト・SNSの確認や、実際に会うなどして「最も想いに共感できる一人」に絞る
選挙当日は選挙運動が禁止となっています。
- 特定の候補者や政党への投票に影響のある行為はNG(当選または落選)
- 選挙当日にSNSのRTやシェアもNG
- 「投票に行こう」はOK
SNSは気軽な分、うっかり違反してしまう人も多いかもしれません。応援する際には“推しの人”に迷惑をかけてしまわないよう、公職選挙法に十分な注意を。
自分の“推しの人”を否定されると傷つきませんか?周りの人もいっしょです。「自分の推し以外を否定」するような発言は控えるようにしましょう
政治の話はタブーとされるけれど、本来政治は暮らしへの影響が大きい身近な問題。
誰かに考えを押し付けるのではなく、自分自身の暮らしをより良くするために何が必要か?の範囲を話す分には問題ないのかもしれません。
“推し”の人は宮崎のために頑張っている?しっかりチェックしよう
推しの人が当選したら、その後、期待に応えられているかもチェックしましょう。
ただし当選回数によって影響度が異なってくるため、初当選では難しい面もあるかもしれません。推しの人が当選回数を重ねると大きな力になります
各議会のサイトでは、以下のような内容を閲覧可能です。
- 請願・陳情の内容と審査結果
- 決議・意見書(議会の意思を対外的に表明するために議決されるもの)
- 議会での質問内容
一度ためしに嘆願・陳情内容などを見てみると、いかに自分たちの生活や暮らしに影響しているかが実感できるはず
最新の選挙は?衆議院選挙2024|令和6年10月27日(日)
衆議院選挙2024、令和6年10月27日(日)の情報については、「宮崎県:第50回衆議院議員総選挙・第26回最高裁判所裁判官国民審査のお知らせ」に詳細があります。
候補者の情報(候補者一覧、選挙公報)や、政見放送の日時等をチェック!
選挙を近い存在に。宮崎でも広がる関心を高める取り組み
宮崎が好きだからこそ、宮崎をより良くするために関心をもって欲しい。当事者意識を持ってもらうための取り組みが広がっています。
VOTECOFFEE
【VOTE COFFEE】は若草HUTTEが展開する、立候補者の誰かを応援するのではなく、選挙そのものを応援する取り組み。
選挙に行く人も行かない人も、店舗を利用した際に「期日前投票したよ」「選挙権まだない」など気軽に話をするだけで、コーヒーのドリップバッグ1個をもらえます。( COFFEE ROASTER HAMASAKI )
voteブレンドコーヒーには、選挙や政治の話が当たり前にできる雰囲気になればというメッセージが込められていて、賛同する店舗での取り組みがじわじわ広がっています。
参加することでお得な「選挙割」
選挙への関心・理解を高めるために「選挙割」に取り組んでいる店舗があります。選挙割とは、投票済証明書や写真を証明としてお得に利用できる割引サービスです。
宮崎の個人店で「選挙割」に取り組んでいると、なかなか周知できていないケースも多いかもしれません。こちらのサイトを活用するのもおすすめです。
宮崎県の選挙割 参加店舗(センキョ割)
立候補者が奔走する選挙運動とは
まずは一人でも多くの人に名前を知ってもらえないと、立候補者は当選できません。
ウグイスとして選挙に携わったことで見えた視点を交えて「選挙運動」のあれこれについて紹介します。
選挙運動は激務?!1日12時間以上の戦い
選挙運動期間は、選挙の種類によって決められています。
参議院議員選挙 | 17日間 |
都道府県知事選挙 | 17日間 |
衆議院議員選挙 | 12日間 |
都道府県議会議員選挙 | 9日間 |
一般市 市長選挙 | 7日間 |
一般市 市議会議員選挙 | 7日間 |
町村長選挙 | 5日間 |
町村議会議員選挙 | 5日間 |
もちろん、候補者は選挙期間中に“休み”というものはありません。選挙運動が許されている時間は8時〜20時の12時間(前後の準備を含めるとそれ以上)。
ずっと手を振り続け、のど飴でのどを労りながら、有権者に自分の存在を訴え続ける。そして休憩する時間を惜しみ、当選するための一票の大切さを知っているからこそ、一人でも多くの人に会う…
一般的な社会人の労働時間は8時間と考えると、どれほど大変なことか想像できるのではないでしょうか?
私がウグイスとして携わったのは6日間だけではあるけれど、お手振りで筋肉痛・声出しで喉が痛い・座りっぱなしで腰が痛いetc。
選挙運動終了後は疲れがドッとでて、1週間は体調不良でふらふらしてました(体力なさすぎ)。
立候補者はこれを休みなく行い、最大で17日間…。最終日が近づくと、そりゃ候補者は喉も渇れて当然。大変さを知ることで、今後は候補者の頑張りを応援してあげたくなりました。
とはいっても「選挙カー」はうるさくて迷惑じゃない?
選挙運動期間になると“うるさい”という声がSNSに溢れ、特に小さなお子さんがいる家庭は、選挙カーの騒音を迷惑だと感じているはず。私も選挙カーに対して疑問をもっていた一人です。
なぜ日本には選挙カーが存在しているのか。選挙カーについて知ることで、日本の選挙制度について考えるきっかけにしてみてください。
選挙カーは資金力に左右されず立候補できる日本の仕組み
日本の選挙は「やってはいけない」ことばかり。「べからず集」と呼ばれるほど、ポスターや看板の大きさ等を規定されるなど細かなルールがたくさん。
そして欧米と違い、日本では「戸別訪問(1件1件、家を訪問)」が認められていません。「戸別訪問OK」にしてしまうと、多くの人に依頼して戸別訪問できる“資金力のある立候補者が有利”になってしまうからです。
日本における細かな選挙のルールや選挙カーは、資金力に左右されることなく、平等に戦うための基盤となっています。
選挙カーは認知度を高めるのに最も有効的
「今はインターネットやSNSがあるから十分」と思っていても、実際に自分から情報を得ようとする人はごくわずか
選挙運動では、単純接触回数が多い有権者ほど高い好感度を持つといったデータが示されています。(参照:地方選挙における有権者の政治行動に関連する近接性の効果:空間統計を活用した兵庫県赤穂市長選挙の事例研究)
日本では戸別訪問が禁止されているため、選挙カーでの周知は名前を覚えてもらうと同時に、選挙への関心・認知度を高めるのにも最も効果的な方法だと言えます。
立候補者は一人でも多くの人に名前を知ってもらい、当選しなければ想いを実行に移すことができません。支援を受けながら、多くの人の応援と期待を背負って出馬したプレッシャーもあります。
ほんの数票の差でも「負けは負け」という怖さ、現職の議員であっても選挙に負ければ無職。次のチャンスは数年後。
そのため迷惑と思っている人がいるとわかっていても、一番効果的な選挙カーに頼らざるを得ない現状があります。
選挙運動期間中は午前8時から午後8時まで、選挙運動用自動車の上において行う連呼行為(氏名などを短い時間に反復して何度も言う行為)を行うことができる(公職選挙法第140条の2第1項の規定)
日本は有権者の選挙への関心・意識が低すぎるという問題も。参考として、過去の宮崎における選挙の投票率です。
宮崎県知事選挙(2022) | 56.69% |
宮崎市長選挙(2022) | 38.76% |
宮崎県議会選挙(2023) | 40.75% |
宮崎市議会議員選挙(2023) | 38.34% |
半数以上の人が投票を行っていない現状…。
若い人も選挙への関心が高まっていき、Web情報で投票先を決める人が多くなるのであれば、選挙活動はWebで発信する情報の充実が必須となっていきます。結果として、選挙カーでの周知は必要ない時代がくるのかもしれません。
体験して知った「一人ひとりの応援が力になる」という意味
人柄・知識・実行力に優れた人に「政治家になったら?」と伝えると、「割に合わない(誰にでもペコペコしたくない、自分で好きな仕事をやったほうが稼げるし楽etc)」という理由でNOと答える人がほとんど。
名前と顔が知られるほど、常に人から見られ、行動をチェックされます。気軽に飲みに行くこともできなくなり、周りも巻き込むことになるので、家族に反対されるという人も少なくありません。
誰もが好意的に見てくれるわけでもなく、時にはきつい言葉も浴びせられます。立候補するだけでも、相当のメンタルと覚悟が必要になるはず。
正直「政治家」を目指す人の気持ちが理解できませんでした。でも選挙カーに乗ったら、見える風景が想像していたものと違いました。
交差点に立っていると、信号が一つ変わる間に1台〜は手を振ってくれる人たちがいました。年齢関係なく応援してくれる人がいることに、驚き。
選挙権のあるなしに関わらず、立候補者に手を振ると、大きな反応が返ってくるのが楽しいし嬉しいからだと思います。
多くの人がイベントとして楽しんでいることが伝わってきて、お互いが笑顔になれるコミュニケーションの応酬です。
そして選挙カーで回っていると、“信頼できる立候補者かどうかを自分の目で確かめたい”と待っている人もいます。「自分にはできないからこそ、代わりに頑張ってくれる人に託したい。」という期待が伝わってきました。
住民の困りごとを聞いて回り、解決のための策を実行に移すための書類作成や調整に奔走する。知恵を借りるために専門家に協力を依頼するなど、政治家の仕事は多岐に渡ります
マラソンのように沿道で「がんばれーがんばれー!」と手を叩いて応援してくれている人たちもいます。きっとその方は、選挙運動がマラソンのようにハードで、走り切る大変さを知っているのでしょう。
立候補者は、応援してくれる一人ひとりに感謝の気持ちを伝えたいという気持ちでいっぱい。
私自身は何もわからず引き受けたウグイスのお仕事だったので、最初はぼーっとすることも多く、意識が低い状態でした。
途中から意識が変わったきっかけは、どんなに疲れていても応援してくれる人の声で元気になり、時には目頭が熱くなっている立候補者の姿
立候補者のためだけでなく、応援してくれている人のためにも“応援のサインを見逃さない”と必死になりました。
立候補者も、身近に住んでいて家族もいる、同じ宮崎県民の一人です。
覚悟をもって挑んでいても、凹むこともあります。だからこそ、選挙運動の場ならではの一人ひとりの応援が心に沁み、背中を押してくれる力となっているのだと実感できました。
復習!市町村議会・県議会・国会(衆議院・参議院)の違い
「学生時代に習ったわ〜」と言われても、習ったこと自体をすっかり忘れちょるっちゃわー。
議員は報酬が高いと思われがち。だけど
- 問題解決のため勉強会に参加
- 課題の調査、研究(時には専門家の力を借り調査費も必要)
- 議会に向けた準備
- 協力を得るための人間関係構築、調整
など多忙を極め、問題解決に向けしっかり対応している議員ほど諸費用がかかります。
立候補するためには供託金が必要です。供託金は売名など無責任な立候補を防ぐためのもの。ある一定の得票数がなければ没収となり、税金と同じように使われます。
衆議院小選挙区選出議員 | 300万円【没収点】有効投票総数の10分の1 |
参議院選挙区選出議員 | 300万円【没収点】有効投票総数をその選挙区の定数で割った8分の1 |
都道府県議会議員 | 60万円【没収点】有効投票総数をその選挙区の定数で割った10分の1 |
都道府県知事 | 300万円【没収点】有効投票総数の10分の1 |
指定都市以外の市議会議員 | 30万円【没収点】有効投票総数をその選挙区の定数で割った10分の1 |
指定都市以外の市長 | 100万円【没収点】有効投票総数の10分の1 |
町村長 | 50万円【没収点】有効投票総数の10分の1 |
市町村議会:『市町村』の条例の制定や改正・予算の決定等
市(町村)の議員は市(町村)長の方針や提案について十分に議論し決定したり、決定どおりに物事が進んでいるかを確認します。
地域の集会や祭りにも積極的に参加して関係性を築き、交流により声を集め解決策を考えて実践する、最も身近な存在です。
任期 | 4年 |
被選挙権 (立候補の権利) | 満25歳以上で、その市町村議会議員の選挙権を持っていること |
県議会:『県』の条例の制定や改正・予算の決定等
県議会議員は県知事の方針や提案について十分に議論し決定したり、決定どおりに物事が進んでいるかを確認します。
県民の意見を知るためにタウンミーティングに参加したりと規模が大きくなるため、市議会議員より何をしているか見えづらいかもしれません。
任期 | 4年 |
被選挙権 (立候補の権利) | 満25歳以上で、その県議会議員の選挙権を持っていること |
国会(衆議院・参議院):『国』の法律や予算について決定
日本の国会は、衆議院と参議院の二院制。衆議院には解散があり、任期も短いため、より国民の意見(世論)が反映されると考えられています。
そのため、衆議院と参議院で意見が違う場合には「衆議院の意見が優先」されます(衆議院の優越)。
衆議院 | 参議院 | |
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議員定数 | 475名 | 242名 |
任期 | 4年 | 6年 (3年ごとに半数を改選) |
被選挙権 (立候補の権利) | 満25歳以上 | 満30歳以上 |
解散 | あり | なし |
宮崎の暮らしをより良くするために投票に行こう
・国民が政治を嘲笑しているあいだは嘲笑い値する政治しか行なわれない
国民はみずからの程度に応じた政治しかもちえない――松下幸之助の政治観(4) | 松下幸之助.com
・民主主義国家においては、国民はその程度に応じた政府しかもちえない
さまざまな風聞により政策を推し進められなくなり、家族にも負担がかかることで、政治家として心折れてしまった方たちの話もたくさん耳にしています。
批判するなとは言いません。けれどその批判、政策に関係していますか?娯楽としての個人攻撃になっていないか、一度考えて欲しいと思います。
政治家を政策の実行力によって評価できる宮崎県民が増えれば、志ある人が立候補しやすい土壌となり、宮崎がより魅力的な県になっていくと思います。
選挙に関心を持つことで、宮崎をより良くするために頑張っている人を応援し、誇りに思える宮崎県にしていきましょう🏝